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基幹システムをAWSへ移行する際、安定した通信環境を維持するために「AWS Direct Connect(専用線)」の導入を検討する企業は多く存在します。しかし、「専用線を2本引いて完全冗長化する予算の確保が難しいが、1本だけでは回線障害時が不安だ」というコストと可用性のトレードオフに悩む情報システム担当者も少なくありません。
本記事では、コストを抑えつつ一定の冗長性を確保するための現実的なアプローチである「専用線とインターネットVPNの併用構成(DX+VPN)」について、メリット・デメリットから、実務で陥りやすい技術的な注意点までを客観的に解説します。
AWSへの接続において、可用性を高めるための構成は大きく3つのパターンに分かれます。自社のBCP(事業継続計画)要件と予算に応じた適切な選択が求められます。
| 構成パターン | 可用性・信頼性 | コスト感 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|---|
| 専用線 1本 | 標準的 | 抑えられる | メンテナンス時や回線障害時に通信断が発生するリスクがある。 |
| 専用線 2本 (DX+DX) |
極めて高い | 高い | 回線・ポート費用が2系統分必要。 AWSのSLA(99.9%)対象構成。 ※99.99%達成には2拠点4接続が必要 |
| 専用線+VPN (DX+VPN) |
中程度 | 適正化しやすい | 万一の回線断時もバックアップ通信が可能。 ※AWS SLAの適用外となる点に注意。 |
DX+VPN構成の最大の利点は、安価なインターネットVPNをバックアップ回線として活用することで、専用線を2本引くよりも大幅にランニングコストを抑えつつ、万が一の回線障害時にもシステムを完全に止めない(最低限の業務を継続する)体制を構築できる点です。予算が限られる中での現実的なリスクヘッジとして、経営層への稟議も通しやすい構成と言えます。
一方で、社内調整において必ず留意すべき点があります。まず、AWS公式のDirect Connect SLA(サービス品質保証)は、バックアップ回線としてVPNを使用する構成には適用されません。また、障害発生時にVPNへ切り替わった際、インターネットを経由するため通信遅延が発生しやすく、帯域(スループット)にも制限がかかります。「障害時は通信速度が低下するが、業務停止は免れる」という実害の許容範囲を、事前に現場部門とすり合わせておくことが重要です。
DX+VPN構成の構築において、技術的に最も難しいのがルーティング(経路制御)の設計です。設定を誤ると、行きのパケットは専用線を通り、戻りのパケットはVPNを通ってしまう「非対称ルーティング」が発生し、ファイアウォールで通信が遮断されるリスクがあります。正常時は専用線を優先し、障害時のみVPNへ流すためのBGP(Border Gateway Protocol)の細かな属性設定(Local PreferenceやAS Path Prependなど)には、高度な専門知識が求められます。
構成を組んだ後、実際に専用線に障害が起きたと仮定してVPNへ正常に切り替わるかを確認する「フェイルオーバー試験」を実施する必要があります。しかし、稼働中の基幹システムにおいて意図的に回線を切断する試験は、心理的・物理的なハードルが高く、構築ベンダーの豊富な経験と綿密な計画が不可欠です。
DX+VPNのような複雑な構成を組む際、回線キャリアとAWS構築担当(SIer)が異なると、設計の不整合や障害発生時の「たらい回し」が起こりやすくなります。
TOKAIコミュニケーションズは、自社で光ファイバー網「BroadLine」を保有する通信事業者でありながら、AWSの設計・構築も行うパートナーです。回線の物理的な引き込みからAWS内部のBGPルーティング設計、VPN機器の提供までをワンストップで対応するため、責任範囲が明確になり、障害時の原因切り分け時間も短縮できます。
TOKAIコミュニケーションズは、日本国内でいち早く「AWS ネットワークコンピテンシー」を取得しており、非対称ルーティングの防止や経路優先制御に関する豊富な知見を有しています。また、AWS側のSLAが適用されないDX+VPN構成であっても、回線から運用保守(MSP)までを統合して提供することで、24時間365日の日本語有人監視による迅速な対応体制を確保できます。
将来的な専用線2本(DX+DX)構成へのアップグレード含め、安全なネットワーク構築をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
TOKAIコミュニケーションズは、AWS導入から設計・移行・運用までをワンストップで支援するクラウドの専門家。AWSプレミアティアサービスパートナーとして豊富な実績を誇り、 600社以上(2025年9月時点)の導入実績と高い技術力に裏打ちされたサポート体制で、クラウドに不安を抱える企業の心強いパートナーです。