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オンプレミスからAWSへの移行は、コスト構造の見直しや運用負荷の軽減、拡張性の向上など多くのメリットをもたらします。その一方で、計画段階から移行後の運用に至るまで、各フェーズで見落としがちな「注意点」が数多く存在するのも事実です。
勢いだけでプロジェクトを進めてしまうと、想定外のコスト超過やシステム障害、現場部門との調整不足による稼働遅延といったトラブルに直結しかねません。特に基幹システムを含む大規模なオンプレミス環境では、ひとつの見落としが全体スケジュールに影響することもあります。
本ページでは、オンプレミスからAWSへ移行する際に押さえておきたい注意点を、「移行前(計画・アセスメント)」「移行実行(設計・作業)」「移行後(運用)」の3フェーズに分けて整理しました。プロジェクトの抜け漏れを防ぐチェックリストとしてご活用ください。
サーバーやアプリケーション同士の依存関係を把握しないまま移行対象を決めてしまうと、移行中に想定外の連携エラーが発生するリスクがあります。特に長年運用してきたレガシーシステムでは、当時の担当者が不在で仕様がブラックボックス化しているケースも珍しくありません。手作業での棚卸しには多大な工数がかかるため、専用の調査手法を用いた事前アセスメントが欠かせません。
オンプレミスで購入済みのOS・ミドルウェアライセンスをAWS上でも引き続き利用できるか(BYOL:Bring Your Own License)は、製品ごとに条件が異なります。事前確認を怠ると、想定外のライセンス費用が発生したり、そもそも持ち込みができず再購入が必要になったりすることがあります。
初期費用やサーバー代だけを比較し、電気代・データセンター維持費・保守費用・人的工数を含めた総所有コスト(TCO)で試算しないと、稟議段階で経営層の納得を得づらくなります。「クラウドの方が高くついた」という後戻りを防ぐためにも、長期的な視点でのコスト算出が重要です。
情報システム部門だけで移行方針を決めてしまい、実際にシステムを使う現場部門への説明や合意形成が後回しになると、移行直前になって「その時間帯は業務が止まると困る」といった声が上がり、スケジュールの練り直しを迫られることがあります。移行の目的やスケジュール、影響範囲は、計画の早い段階から関係部署へ共有しておくことが望ましいでしょう。
基幹システムをAWSへ移行する場合、インターネット経由の接続では帯域の確保が難しく、遅延によるレスポンス悪化が懸念されます。専用線(AWS Direct Connect)の要否や接続事業者の選定を誤ると、移行後にネットワーク起因のトラブルへ対応しきれないケースもあります。
アプリケーションにIPアドレスが直書きされている場合、AWS移行時のアドレス変更によって想定外の箇所で不具合が起きることがあります。連携先のシステムやファイアウォール設定への影響範囲を漏れなく洗い出しておくことが、移行実行フェーズの重要な注意点です。
本番移行前の検証を簡略化してしまうと、データ移行後の整合性エラーやアプリケーションの動作不良に本番環境で初めて気づく、という事態になりかねません。スケジュールが逼迫していても、検証環境での入念なテストと、問題発生時に切り戻せる手順の準備を工程に組み込んでおくことが重要です。
データ量やシステム構成によっては、切り替え時の業務停止時間が想定以上に長引くことがあります。現場部門が許容できるダウンタイムを事前にすり合わせ、その範囲に収まる移行手法を選定しておくことが欠かせません。
AWSでは、インフラの物理的セキュリティはAWS側、OSやアプリケーション、アクセス権限の設定は利用者側が担う「責任共有モデル」が採用されています。この線引きを誤解したまま運用すると、セキュリティ設定の抜け漏れや脆弱性の放置につながるおそれがあります。
使った分だけ課金される従量課金制は、リソースの見直しを怠ると想定以上に費用が膨らむ、いわゆる「青天井化」を招くことがあります。移行して終わりではなく、移行後も定期的なリソースの棚卸しとコスト最適化を続ける体制が必要です。
移行プロジェクトが完了しても、AWSを使いこなせる社内人材が不足していると、障害対応やパフォーマンスチューニングが後手に回りがちです。特に24時間365日の監視・保守体制を自社だけで構築しようとすると、担当者の負荷や属人化のリスクが高まります。将来的な内製化を目指す場合も、立ち上げ期は外部の運用支援と組み合わせておくのが現実的な選択肢といえます。
ここまで挙げた注意点は、ネットワーク設計・AWS構築・セキュリティ・コスト管理・運用体制と、複数の領域にまたがっています。情報システム部門だけですべてをカバーしようとすると、担当者への負荷が集中し、かえって見落としが生まれやすくなります。
TOKAIコミュニケーションズは、AWS プレミアティアサービスパートナーであり、国内唯一のAWSネットワークコンピテンシー認定を取得している通信事業者です。500以上のAWS認定資格を持つエンジニアが、専用線の敷設からAWS環境の設計・構築、そして24時間365日の運用保守までをワンストップで支援しており、これまでに600以上のAWSソリューション導入、2,000回線以上の接続実績を積み重ねてきました。フェーズごとの注意点をひとつずつ着実に潰しながら移行を進めたい場合は、こうした伴走型のパートナーに相談するのも一つの方法です。
本ページで整理した注意点は、いずれも「事前に知っていれば防げたはず」のトラブルにつながりやすいポイントです。計画・実行・運用の各フェーズで一つずつ確認しながら、自社のプロジェクトに当てはめてチェックしてみてください。より詳しい対策が必要な項目は、本文中でご紹介した各解説ページも合わせてご参照いただき、AWS移行プロジェクトの抜け漏れ防止にお役立てください。
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