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AWS移行というと「オンプレミスをすべてクラウドに移す」ことをイメージしがちですが、実際には一部のシステムをあえてオンプレミスに残す「ハイブリッドクラウド」という選択をする企業も少なくありません。全面移行だけが正解とは限らず、自社の状況に応じてオンプレミスとAWSを使い分けることも、現実的な選択肢のひとつです。
本ページでは、どのようなシステムをオンプレミスに残す判断がされやすいのか、段階的に移行を進める場合の考え方、そしてハイブリッド構成を支えるAWSのサービスについて整理します。「とりあえず全部クラウドへ」と進める前に、一度立ち止まって検討する材料としてご活用ください。
以下のような条件に複数当てはまる場合、すべてを無理にクラウド化せず、オンプレミスを残す選択肢を検討する価値があります。
ハイブリッド構成を前提とする場合も、移行自体は段階的に進めるのが基本です。一般的には、現状のシステムをアセスメントしたうえで移行優先度を整理し、接続方式を設計し、小規模なパイロット移行で検証してから、対象を順次拡大していく流れになります。
移行の優先順位としては、テスト・開発環境から着手し、社内ポータルなどの情報系、データ分析系、基幹周辺系と進め、勘定系・基幹システムなどの「基幹中核系」を最後に回すのが一般的な考え方です。基幹中核系は、コンプライアンス上の制約が強いうえ、停止やデータ破損が起きた際の事業影響が大きく、長年の改修でシステム構成が複雑化していることも多いため、最も慎重な検討が必要になります。パイロット移行には、2~6ヶ月程度の期間を見込んでおくとよいでしょう。
オンプレミス環境とAWSをなめらかに連携させるサービスとして、「AWS Outposts」があります。AWSのインフラやサービスをオンプレミス側に設置できるフルマネージドサービスで、EC2やEKS、RDSといった一部のAWSサービスを、自社拠点内でローカルに実行できます。Amazon VPCをオンプレミス側まで拡張できるため、クラウドと一貫した運用が可能になる点が特徴です。
製品ラインナップには、データセンター向けの大規模な「Outposts racks」(42Uの業界標準ラックで、複数ラック構成にも対応)と、店舗・支店・工場など設置スペースが限られる拠点向けの小型な「Outposts servers」があり、規制の厳しい業界、低遅延処理、レガシーシステムの段階移行といった用途で活用されています。
なお、オンプレミスとAWSをつなぐ接続方式には、VPN・専用線・AWS Direct Connectといった選択肢があり、求める可用性やコストに応じた設計が必要です。
ハイブリッド構成の費用は、オンプレミス側(機器・保守・施設・人件費)、クラウド側(従量課金・データ転送料)、そして両者をまたぐ統合運用(監視ツール・セキュリティ統制・人材)の3つの層で発生します。オンプレミスを全面更新する場合に比べて初期投資は抑えやすい一方、運用費が積み上がっていく傾向があり、単年で見るとかえって割高に感じられることもあります。複数年のスパンで比較することが重要です。
特に見落としやすいのが、クラウドからの外向きデータ転送料(Egress)、既存ライセンスの持ち込み可否、専用線の月額費用、そしてオンプレミスとクラウドの両方に通じた運用人材の確保です。これらをあらかじめ織り込んで試算しないと、移行後になってから想定していたコストメリットが実現しないことに気づくケースもあります。
「どのシステムを残し、どれを移行するか」「どの接続方式を選ぶか」といった判断は、ネットワーク設計からAWS環境の構築、運用まで幅広い専門知識を横断します。情報システム部門だけで最適な構成を見極めようとすると、判断材料が偏ってしまうリスクがあります。特にネットワークの接続方式とAWS環境の構築を別々の会社に依頼すると、障害発生時に原因の切り分けが難しくなることもあるため、通信回線からAWS環境までを一貫して見てもらえる体制が望ましいといえます。
TOKAIコミュニケーションズは、AWS プレミアティアサービスパートナーであり、国内唯一のAWSネットワークコンピテンシー認定を取得している通信事業者です。自社で光ファイバー網を保有する通信事業者としての強みを活かし、専用線の設計からAWS環境の構築、そして24時間365日の運用保守までをワンストップで支援しています。オンプレミスとAWSを組み合わせたハイブリッド構成の設計で迷う場合も、こうした伴走型のパートナーに相談するのも一つの方法です。
すべてをクラウド化することだけが正解ではなく、自社の規制対応・システム特性・社内体制に応じて、オンプレミスとAWSを使い分ける選択肢もあります。まずは自社のどのシステムが「残すべき候補」に当てはまるかを整理し、移行対象と残す対象を仕分けするところから始めてみてはいかがでしょうか。判断に迷う部分が多いほど、早めに専門家の意見を聞いておくことが、後々の手戻りを防ぐことにもつながります。
TOKAIコミュニケーションズは、AWS導入から設計・移行・運用までをワンストップで支援するクラウドの専門家。AWSプレミアティアサービスパートナーとして豊富な実績を誇り、 600社以上(2025年9月時点)の導入実績と高い技術力に裏打ちされたサポート体制で、クラウドに不安を抱える企業の心強いパートナーです。